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うさブタ、風の中に見つけた絵本のページ
6がつ6にち。
おはらんといっしょに車でとことこお出かけしてたの。
するとね、ふいに、うさブタの目のまえにひろがったの。

ふわっふわの金色の麦が、風にゆらゆら〜
まるで「こんにちは〜」って手をふってくれてるみたいだったよ。
そのなかに、ちいさなむらさきのお花たちが、ぽつぽつって咲いててね、
まるで、だれかがそっと絵の具で色をさしたみたいに見えたの。
うさブタね、車のまどからそっと見てたんだけど、
その光景が、ほんとうにおとぎばなしの一場面みたいで
こころの奥が「ぽっ」ってあったかくなったの。

しずかで、やさしくて、
でも、ふかくふかく響いてくる景色。
にぎやかじゃなくても、
やさしい風と草の声に耳をすませると、
ちゃんと“だいじなこと”って届くんだなぁって思ったよ。

黄金色のゆらめきと、むらさきのささやき。
うさブタの心に灯った、初夏の風景
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