こんにちは。
うさブタです。
宮の神原という場所には
一見すると何でもなさそうな建物なのに
意外と重要な役割を担っているものが多い!
「十間廊」といわれる場所は特に重要な建物らしいよ
☆壁なしのガラーンとした建物☆
本殿に向かって歩く階段の少し手前に
壁のない長い廊下のような建物があるんだけど
それは「十間廊」と呼ばれる場所。

建物を支えている柱と柱の間の長さは約1.8mあるらしい。
尺貫法でいう一間ということになるのかな
◇十間廊の名前の由来は?
建物を支えている端から端までが十間あるから
「十間廊」って名前になったんだって。
別名「神原廊」ともいうんだけど
とにかく屋根と柱だけで殺風景な建物。
ぜ~んぜん、重要な建物に見えない!
だって壁がないし…。
ただ、建物の長さに異様さを感じることだけは確か。
舞を奉納する舞台にも見えないし、
ましてや相撲を奉納する土俵にも見えない。
じっくり見れば見るほど謎が深まる建物ではあるんだよね。
なんだか、
旧約聖書やらユダヤ伝説と関係があるなんて噂もあるぐらいだし。
何だろうね?この建物???
☆上社の特殊神事は「十間廊」で!☆
前に、諏訪大社は2社4宮という話をしたと思うんだけど
上社は、前宮と本宮というお宮さんがあるのね。

で、
上社の特殊神事は
本宮ではなく前宮で行われるんだって。
ここで気になるポイントが!
「特殊神事」という文言よ。
『重要な神事』ではなくて”特殊”ていうことろ。
何??
特殊って!
なんかヤバい神事ってこと??

◇上社の特徴的な神事は3つ!
まず、諏訪大社の特徴的な神事であり
そして、全国的にも知られている神事といえば…
日本三大奇祭の『御柱祭』
寅年と申年に行われる「式年造営」
その名も”御柱祭”
何を隠そう『日本三大奇祭』のひとつとして知られている
7年に1度しか行われない男性の度胸が試される猛々しいお祭り。
カエルを串刺し『蛙狩神事』
そして、『蛙狩神事』と呼ばれるもの。
これは、本宮のすぐ横に名ががれる川に棲む蛙さんを掘り起こして
矢で串刺しにするという全国的にも珍しい神事。
鹿の頭をお供え『御頭祭』
毎年4月15日に行われる『御頭祭』
上社最大の神事なんだそう。
☆上社の神事で最も重要な『御頭祭』☆
古くは
3月酉の日に行われていたから
『酉の祭』ともいうんだってさ。
本宮でまず例大祭を行って
その後、御霊代を神輿に移し
行列を整えて前宮に赴き
「十間廊」で古式による祭典が執り行われるの。
かつては前宮の神原が
諏訪祭政の中心地だったんだから納得かも!
ここからが本題。
古式による祭典では
神輿を「十間廊」に安置して
”特殊”な神饌をお供えするのよ。
でた!”特殊”という言葉。

☆特殊な神饌は生首⁉☆

◇すべての供物は大祝が実見!
大祝は
諏訪明神の直系の現人神(あらひとがみ)とされている人?役職?
う~ん、その辺はよくわからないけど
諏訪大社の頂点に位置する人ってことで。
話は戻って、
「十間廊」の上段に神輿を上段に安置して
その際、神様への貢物がお供えされるみたい。
そして、
全ての貢物は現人神である大祝が
その目できっちりと実況見分
◇御祭神のお使いが信濃国中を巡るんだもん

「御頭祭」は『大御立座神事』といわれていて
御祭神の
お使いが農作物の豊穣を祈って
信濃国中を巡回の際に行われている神事。
地域の人たちは、
狩猟と農作物の豊穣への願いと感謝を込めて
この神事を執り行っているの。
だからこそ、
供物として供えられる穀物、野菜、果物などといったものは大切。
大祝様にしっかりと見ていただかないとね。
でもさぁ、
この手の神事なら、
供物といえば穀物や野菜などにお酒と相場が決まっているし
どこも特殊感ないけど…。
諏訪の神様は違うんです!
穀物や野菜じゃご満足いただけないのです。
だって、
狩猟と漁業の神様としても知られているんですから。
肉や魚も供えて欲しい!
by諏訪の神様
食事はバランスが大切だからね
◇75頭の鹿の頭を集めました!
ということで、
「御頭祭」では穀物や野菜、果物だけでなく
ウサギなどの鳥獣魚類をお供え。
これはとっても特殊。
特に、
75頭の鹿の生首を各地から集めてきて
お供えするのは特殊中の特殊でしょ!
生首だよ!生首!
怖いよ!
75個の鹿の生首って!
完全に生贄感たっぷり
しかも、
毎年必ず一頭だけ
耳の割けた鹿がいたんだって。
これ「高野の耳裂け鹿」って呼ばれていて
諏訪の七不思議に数えられるんだよ。
ホラーだよ!
何故、生首?
どうして鹿?
なぜ、諏訪の神様はベジタリアンじゃないの?
さすがに、今は鹿の生首ではないらいしいけど
鹿の首の剥製をお供えするみたいよ。
75頭分お供えするのかなぁ~?
剥製でも一頭は耳が裂けているのかな????
あ~
この謎めいたお祭り行ってみたーい!!
怖いもの見たさってやつ!
う~ん、自分の目で確かめに行かなくちゃ!
☆諏訪の神様ってジビエ好き?☆
鹿の肉といえば
ジビエ料理が思いつく!
最近よく耳にするよね。
ジビエって。
◇栄養豊富なのにとってもヘルシーなジビエ
ジビエって、とってもヘルシーなんだって。

養殖された鳥とかと違って、
山野を駆け巡ったり大空を舞ったりしているから
脂肪が少なくて体が引き締まっているの。
しかも栄養もたっぷりなのにヘルシーなんだって。
ヨーロッパでは貴族の伝統料理として
食べられていたみたいだよ。

高貴な人って健康意識高い気がするよね。
今なら、お金持ちも意識高い系??
諏訪の神様もさすが
神様だけあってヘルシー志向だったのかも!!!
それで鹿肉、うさぎ肉なんかを召し上がるって感じ?
☆免罪符あれば鹿食べてオーケーよ☆
諏訪の神様が
ジビエ好きだったかどうかはさて置き
諏訪に古くから伝わる神符があるんだよね。
それは「鹿食免」と呼ばれるもの。
昔は、殺生を忌み嫌っていて
獣などを殺生することは罪悪だ!って考えていた時期があったでしょ?
というか
最近(?)までその考え方ってあったんじゃないのかなぁ~。
だって、
おはらんのおばあちゃん(大正生まれ)は
基本、牛と豚ってあまり好んでは食べていないからね。
食べはするけど積極的ではない。
正真正銘の農耕民族気質。
米と野菜を中心に、ときどき川魚って感じ。
それに、
お盆には殺生は禁止!
川で魚を捕まえたり
山で昆虫採取したりするのはNG。
料理はもっぱら精進料理風。
一切、動物系のものはナシ!
だったんだって。
でも、
おはらんのおばあちゃんは
時代が変わっているのに
それじゃ孫が可哀想!ってことで
最近では、お刺身ぐらいは食べてもいいよって。
それでも未だに肉系は出てこないらしい
昔の人は
そゆうのって絶対ってとこあるからね。
それが
もっともっと昔の話となると
鳥獣を食べるなんて罪悪以外の何物でもないことは想像できるよ。
でも諏訪地域では
この免罪符があれば
鹿肉を食べてOK!だったんだってよ。
諏訪大社では
”慈悲と殺生は両立する”という考え方があるんだって。
それは
生き物は放っておいても長くは生きられない定めだから
人間の身になってこそ人と同化して成仏できる
というような意味の諏訪神人たちの神の託宣(たくせん)
いわゆる”諏訪の勘分”というものに基づくらしい。
これによって
狩猟神である諏訪の神様が
鹿肉食べてもいいよ!っていっているから
「鹿食免」があれば食べてもいいよってことに。
☆お諏訪様はとっても慈悲深い神様♪☆
「鹿食免」を出している理由は
なんだか方便な気がするけど…。
でもでも
諏訪の土地柄を考えると
諏訪の神様のお考えは海より深いのよ!(諏訪に海ないけど…)
◇諏訪の冬はとっても寒い!

冬になると湖の水が
ガッチガッチに凍るほど寒い諏訪地域。
そんな厳しい冬を乗り越えなければならなかった諏訪の人々。
寒さを乗り越えるためには
良質なたんぱく質が必要だったはず。
木の実や山菜じゃ
体が温まるほどのエネルギー作れないからね。
ダイエット経験があるからわかるんだけど
ヘルシーそうな野菜だけにすると
体がどんどん冷えるのがわかるんだよね。

で、肉を解禁して食べると
体がエネルギーを作り出しているのがわかるくらい
体が温かくなるのよ。
「鹿食免」っていう免罪符をだすことで
諏訪の人々が厳しい冬を乗り越えられるようにと
諏訪の神様が取り計らってくれたんじゃないのかなって
思うんだよね。
それに鹿肉ってさ
羊肉と同じで体を温めるお肉といかいわれているじゃない?
だから”鹿”なんじゃないかと…。
◇鹿の頭はホラーなんかじゃない
鳥獣が成仏できるようにと発行されている「鹿食免」だけど
実は、人への慈悲に溢れたお札なんではないかと思うんだよね。
だから
諏訪の人たちは
諏訪大社のことを親しみを込めて
”お諏訪様”と呼んでいるんじゃないかと…。
「十間廊」にお供えする鹿の首。
はじめはホラーとか思っちゃったけど
今年の冬も無事に越すことができました!っていう
神様への感謝の気持ちだったんだろうね。
お肉のいっぱい付いた体は
有難く頂いちゃったけど
頭ですがどうぞ召し上がって下さい的な(?)
”鯛の尾頭付き”ってお祝い膳のときにいうぐらいだから
胴より頭の方が序列(?)は上だよね???
鹿の頭も胴より格上?
だから神様にお供え…。
これで前宮のお参りはおしまい!
それじゃ
またね!
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