「お願い」から「ありがとう」へ。うさブタ、お礼参りの旅

「どうか、元気になりますように」。病気になってから、いろんな場所で何度も手を合わせました。家族も、おともだちも、うさブタの知らないところで祈ってくれていました。そして長い治療を終えた今、もう一度あの場所へ。今度はお願いをするためではありません。「ありがとうございました」。世界平和観音、善光寺、神場山神社、無量寺へ、小さなうさブタがありがとうを届けにいきます。 

目次

「ありがとう」を言いにいこう。

こんにちは。うさブタです。

 おはらんが病気になってから、 うさブタたちは、いろんなところで手を合わせました。
「どうか、おはらんが元気になりますように」 おはらんもお願いしました。 家族もお願いしました。 おともだちも、おはらんのためにお願いしてくれました。 そして、長い治療が終わって、 おはらんは元気になりました。

だから今度は、お願いじゃありません。 「ありがとうございました」 そのひと言を届けにいく旅です。 

まっさきに、ありがとうを伝えたかった観音さま

みんなで一緒にお願いした日

 最初に向かったのは、世界平和観音さま。 おはらんパパが病気になったときにも、 お参りした観音さまです。
そして今度は、おはらん。

願いを込めてゴーンと

 おはらんは2回、大きな手術をしました。 1回目は、悪いものを取るために。 2回目は、失ったものをもう一度手に入れるために。 どちらも、とても長い手術でした。 2回とも無事に終わりました。 そのあとも順調に元気になっていき、 傷あとも、どこだったのかわからないくらいきれいになりました。 

いい先生や、医療スタッフのみなさんにも出会えました。 「きっと、観音さまがいいご縁をつないでくれたんだね」 おはらんは、そう言います。 おはらんパパのときも。 おはらんのときも。 ずっと見守ってくれた観音さま。 だから、まっさきにお礼を言いたかったんです。 

観音さまを見上げます。

 今日はもう、 「どうか、お願いします」 じゃありません。 「観音さま、ありがとうございました」 うさブタも一緒に手を合わせました。 

もう一度、お顔を見上げると、 なんだか少し、にっこりしてくれているように見えました。 よかったねって、 言ってくれたのかな。 ありがとう、観音さま。

やっぱり頼りたくなる、善光寺さん 

信州ぬいっ子のうさブタ。 やっぱり善光寺さんにも、 ありがとうを言いにいかなくちゃ。 おはらんが病気になったとき、 おともだちがまっさきにお参りしてくれたのも善光寺さんでした。 おはらんファミリーも、 「善光寺にもお参りしよう」 と、みんなで言ってくれました。

 おはらんは、ここで七五三もしたんだって。 ずーっと前から、 おはらんを知っている善光寺さんです。

 本堂には、御本尊の一光三尊阿弥陀如来さま。 それから、 自分の身体の悪いところと同じ場所を撫でて、病気平癒を願う賓頭盧(びんずる)さま。 おはらんは、何度も何度も賓頭盧さまを撫でました。 そして、閻魔さまが大好きなおはらんは、 閻魔さまにもお願いしました。 いっぱい、いっぱい、お願いしたね。 

如来さまも、賓頭盧さまも、閻魔さまも。 善光寺さんは、 いつ来ても変わらず迎えてくれます。 今日は、 みんなにありがとうです。

 この日は、とっても暑い日でした。 おひさま、ぴっかぴか。 空は青くて、 見上げるとまぶしくて、 じりじり暑くて。 「暑いねえ」 おはらんが言いました。 でも、なんだかうれしそう。 うさブタも空を見上げます。 ほんとだ。 まぶしい。 でもね。 おはらんと一緒に青空を見て、 一緒に「暑いね」って言える。 それって、 とってもうれしいことなんだね。

「だから、ここだったんだ」 

次にお参りしたかったのは、神場山神社。 ここは、うさブタのおともだちがお参りしてくれた神社です。 おはらんが病気だったころ、 「お参りしてきたよ」 と教えてくれました。
そのとき、とってもうれしかったんです。

 今回、 実際に神場山神社を歩いていて、 あるものを見つけました。 ご神木です。 そこには、大きなコブがありました。 「よろこぶの木」と呼ばれているんだって。 そのコブに触れて、 病気がよくなるよう願う人たちがいることを知りました。 

おはらんは、ご神木を見つめています。 そして、 「だから、ここだったんだ」 って。 おともだちは、 ただ神社へ行ってくれたんじゃなかったんだね。 おはらんが元気になるように。 ここまで来て、 手を合わせてくれたんだ。 うさブタが知らないところで、 おはらんのためにお願いしてくれた人がいた。 なんだか、 胸のところがぽかぽかしました。

 神さま、ありがとうございました。 そして、おともだち。 おはらんのためにお願いしてくれて、 ありがとう。 見て。 今度は元気になったおはらんが、 自分でここまで来られたよ。 

今度は「ありがとう」を言いに 

最後に向かったのは、無量寺。 ここは、 おはらんが病気の告知を受けて手術前にお願いに来たお寺です。 あのときも、 境内をちゃんと見ていたつもりだった…。 でも、今日は、 「あれ? こんなところだったんだ」 前には気づかなかったものが、 いろいろ目に入ってきたようです。

 あのときのおはらんは、 お寺を見ているようで、 ちゃんと見られていなかったのかな。 でも今日は、 ゆっくり境内を見ています。 だって今日は、 「治してください」 じゃなくて、 「ありがとうございました」 を言いに来たんだもんね。

 そんなとき、 車椅子に乗った女性と、そのご家族がお参りに来ました。 みんなで明るくお参りしています。 もしかしたら、 何かお願いがあって来たのかな。 うさブタには、わかりません。 でも、なんとなく気になりました。 あの人も、 元気になるといいな。 ここの仏さまにいっぱいお願いして、 元気になって、 今度は「ありがとう」って、 言いに来られるといいな。 うさブタも、 心の中でちょっぴりお願いしました。


お寺の方が、 おはらんに言ってくれました。 「おめでとう」 お願いをしに来たときには、 聞けなかった言葉です。 おはらん、よかったね。 いっぱい、いっぱい、 がんばったもんね。


うさブタたちは、 いろんなところへ「ありがとう」を届けました。 でも最後のお寺で、 またひとつ、お願いをしました。 今度は、 おはらんのためじゃありません。
今日ここで出会った、 名前も知らない人のために。 あの人もいつか、 「ありがとうございました」 って、 ここへお礼を言いに来られますように。

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